前回のブログでは、WB工法における「ダブルブレス構造(二重通気層)」についてご紹介しました。
今回はそのダブルブレス構造と密接に関わる、WB工法最大の特徴の一つ——「電気を使わずに自然の力だけで換気をコントロールする“形状記憶式換気部材”」について、詳しくご紹介していきます。

「自然に換気する」ってどういうこと?
家の中を快適に保つには、換気が非常に重要です。
ですが、一般的な住宅では、換気扇や24時間換気システムなど電気に頼った強制換気が主流。これらは電気代がかかるだけでなく、フィルターのメンテナンスや騒音の問題もつきまといます。
一方、WB工法では、電気を一切使わず、自然の温度変化や気流を利用して家全体の空気を動かすという考え方が採用されています。これを可能にしているのが、形状記憶合金を使った換気部材です。
形状記憶合金とは?
まずは、形状記憶合金バネという素材について簡単に説明しましょう。
形状記憶合金バネは、温度によって元の形に戻る性質を持つ特殊な金属です。
たとえば、外気の寒い冬は閉じ、暑い夏は自動的に開きます、といった動きをするのです。
この性質を利用し、WB工法の家では屋根裏や壁の通気口に「開閉式の換気部材」を設置しています。これが温度に応じて自動的に開閉し、通気の量を調整してくれるのです。

WB工法の「形状記憶式換気部材」の仕組み
WB工法では、主に以下のような場所に形状記憶式換気部材を設けています:
- 床下換気口
- 壁内部の通気口
【夏場】
外気温が上昇し、気温が約27℃以上になると、形状記憶合金のバネが反応して換気口が開きます。
このとき、壁の中や屋根裏にたまった熱気や湿気を上昇気流で自然に排出します。
電気を使わなくても、空気が自然に“上へ上へ”と流れる性質(煙突効果)を活かして、家全体を涼しく保つ仕組みです。
【冬場】
一方、寒くなると、気温が下がり換気部材は自動的に閉じます。
これにより、外の冷たい空気が通気層へ入り込むのを防ぎ、断熱性能を高めてくれます。
ただし、完全密閉ではなく、室内から出る湿気や有害物質(ホルムアルデヒドなど)だけは壁内通気層から逃がす構造なので、結露やシックハウスのリスクは抑えられます。
つまり「開け閉め」不要。住まいが自分で判断する
一般的な家では、季節や天候に応じて「窓を開けたり閉めたり」「換気扇を回したり止めたり」する必要がありますよね。
でもWB工法の家は、家自身が温度を感じ、自然に空気の流れを調整してくれるのです。
しかも、これは完全に電気不要、メンテナンスフリーのパッシブ機構。
災害時の停電でも換気機能が止まることはありません。

一般的な家では、季節や天候に応じて「窓を開けたり閉めたり」「換気扇を回したり止めたり」する必要がありますよね。
でもWB工法の家は、家自身が温度を感じ、自然に空気の流れを調整してくれるのです。
しかも、これは完全に電気不要、メンテナンスフリーのパッシブ機構。
災害時の停電でも換気機能が止まることはありません。
メリットまとめ
| 🌿 自然エネルギー活用 | 太陽の熱・温度差・気流を利用して空気を動かす |
| ⚡ 電気代ゼロ | 換気ファンなどが不要で、電気を一切使わない |
| 🧰 メンテナンスフリー | モーターやフィルターが不要なので壊れにくい |
| 🧘 快適な空気環境 | 湿気・VOC・臭いを自然に排出し、健康的な室内空間に |
| 🔌 災害にも強い | 停電時でも自動で換気が継続される |
| 🔇 静音性 | ファン音がないので静かに過ごせる |
《換気部材の温度による開閉動作》
- 左:気温が高い夏 → 通気口が開く(矢印で上昇気流を表現)
- 右:気温が低い冬 → 通気口が閉じる(矢印が止まる or 湿気だけ抜ける)
WB工法は「住まいの賢さ」が違う
形状記憶式換気部材を使ったWB工法の家は、まるで人の体のように、自然と呼吸し、体温を調節しているかのようです。
こうした仕組みがあることで、
✔ 年中快適な室内環境
✔ 健康への配慮
✔ エコな暮らし
✔ 災害にも強い家
を実現しています。
WB工法は、見た目は普通の木造住宅でも、中身はまったく違います。
今回は、WB工法の“頭脳”とも言える形状記憶式換気部材についてご紹介しました。
この画期的な部材によって、
🌞 夏は涼しく
❄ 冬は暖かく
しかも🌱 自然の力だけで快適さを実現できる——
それがWB工法の強みです。
次回は、WB工法がなぜシックハウス対策にも有効なのかというテーマでお届けする予定です。
家族の健康を守る家づくりにご興味のある方は、ぜひ引き続きご覧ください!