近年、猛暑日が続く日本の夏。多くのご家庭ではエアコンが欠かせない存在になっていますが、冷房に頼りすぎることで「室内が冷えすぎて不快」「電気代が心配」といった悩みを抱えていませんか?
そんな中、注目されているのが「漆喰(しっくい)」を使った家づくりです。漆喰は昔ながらの建築素材でありながら、現代の住まいにも多くのメリットをもたらしてくれる自然素材です。特に、夏を涼しく快適に過ごしたい方にとって、漆喰はまさに理想的な壁材と言えるでしょう。
このコラムでは、「漆喰の断熱性と快適性」に注目し、エアコンに頼りすぎない家づくりのヒントをお届けします。

漆喰とは?自然素材としての魅力
漆喰は、消石灰(水酸化カルシウム)を主原料とし、海藻糊やスサ(藁や麻など)などの天然素材を加えて作られる左官仕上げ材です。日本では古くから城や蔵、町家などで使われており、調湿性・防火性・抗菌性に優れることから、現代でもその魅力が再評価されています。
中でも注目したいのが、熱を伝えにくい性質=断熱性と空気をきれいに保つ調湿性です。これらの特性が合わさることで、夏場でも自然な涼しさと快適さを実現できるのです。

漆喰の断熱性がもたらす“やわらかい涼しさ”
一般的に、「断熱」というとグラスウールやウレタンなどの断熱材を思い浮かべる方が多いかもしれません。確かに、建物の外壁や屋根に断熱材をしっかり施工することは非常に大切です。
しかし、室内の仕上げ材にも断熱性があると、さらに効果的です。漆喰は他の内装材(ビニールクロスや石膏ボード)に比べて、熱を伝えにくい性質を持っており、室内の温度変化をやわらげてくれます。
たとえば、日中に外気温が35℃を超える猛暑日でも、漆喰の壁は熱の侵入をゆっくりにし、室内の温度上昇を抑えてくれます。逆に、夜間に気温が下がってくると、蓄えた熱をゆるやかに放出するため、急激な温度変化を避けることができるのです。
その結果、エアコンの稼働時間や設定温度を抑えることができ、省エネにもつながります。
調湿性が室内の空気を整える
もう一つの漆喰の大きな特徴が優れた調湿性です。漆喰の表面には無数の微細な孔(ミクロの穴)が空いており、この孔が空気中の湿気を吸収・放出することで、室内の湿度を一定に保つ働きをしてくれます。
日本の夏は「高温多湿」が特徴ですが、室内の湿度が高すぎると不快感が増し、カビやダニの原因にもなります。漆喰の壁が余分な湿気を吸収してくれることで、さらっとした空気感を保ち、体感温度を下げる効果もあるのです。
また、乾燥しすぎる冬場には、漆喰が蓄えていた湿気を自然に放出してくれるため、1年を通して快適な湿度を保つことができます。
冷房に頼りすぎない暮らしの工夫
漆喰の断熱性と調湿性をうまく活かすことで、エアコンに頼りすぎない「自然な涼しさ」が叶いますが、さらに次のような工夫を取り入れると効果が高まります。
- 風通しのよい間取り設計
家の中に風の通り道をつくることで、自然な換気と冷却が可能になります。窓の配置や吹き抜け、天窓などを活用して、風が家の中を巡るような設計が理想です。 - 深い軒やすだれで日射を遮る
夏の日差しは強烈です。漆喰壁を日射から守るためにも、軒の出を深くとったり、すだれや外付けブラインドを活用することで、直射日光をコントロールできます。 - 熱のこもりにくい屋根・断熱材の併用
屋根からの熱の侵入は大きな要因です。屋根材の選び方や、適切な断熱材の施工と併せて、漆喰の内装を取り入れることで、全体的な断熱性能を底上げできます。

エアコンの電気代も大幅に削減
実際に、漆喰の家に住まわれているお客様からは、
- 「真夏でも冷房を軽くつけるだけで快適」
- 「以前よりも電気代が明らかに減った」
- 「室内がジメジメせず、空気がすっきりしている」
といった嬉しいお声をいただいています。
エアコンをまったく使わない、というのは現実的ではないかもしれませんが、“使いすぎない”工夫ができる住まいこそ、これからの時代にふさわしい家づくりではないでしょうか。
夏を涼しく、そして自然に快適に過ごすためには、単に冷房に頼るのではなく、「家そのもの」の性能を見直すことが大切です。
漆喰は、断熱性・調湿性・見た目の美しさに優れた、自然素材ならではの魅力を持っています。
「子どもに優しい素材の家を建てたい」「夏の電気代を抑えたい」「自然素材で心地よく暮らしたい」
そんな方には、ぜひ漆喰の家をおすすめします。
当社では、漆喰を活かした家づくりに長年取り組んでおり、お客様のライフスタイルに合わせたプランをご提案しています。実際の施工事例やモデルハウスの見学も承っておりますので、漆喰の効果をぜひ体感しに来てください。