2025年より義務化、ZEH(ゼッチ)とは?

投稿日:2025.02.28

ZEH(ゼッチ)とは?

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、高い断熱性能と省エネ設備により、住宅の年間エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスになる住宅のことを指します。つまり、太陽光発電などの再生可能エネルギーを活用し、住宅で消費するエネルギー量を大幅に削減することを目指しています。ZEHは、地球温暖化対策と脱炭素社会の実現に向けた重要な取り組みの一つとして注目されています。

ZEH住宅

ZEH義務化の経緯

日本政府は、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするという目標を掲げています。この目標達成のため、住宅sector部門における省エネルギー化が不可欠であると考えられています。2020年に閣議決定されたエネルギー基本計画では、2030年までに新築住宅の平均でZEH相当となることを目指すとしました。

さらに、2022年に成立した改正建築物省エネ法により、2025年4月以降、新築住宅におけるZEH基準への適合が義務化されることになりました。この法改正により、住宅のエネルギー消費量を大幅に削減し、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが加速すると期待されています。

ZEH住宅の基準

住宅用蓄電池

ZEH住宅として認定されるためには、以下の基準をクリアする必要があります。
・外皮性能の向上
・外皮平均熱貫流率(UA値)が0.6W/(㎡・K)以下
・冷房期の平均日射熱取得率(ηA値)が2.8W/(㎡・K)以下

これらの基準を満たすために、高性能な断熱材の使用や、窓の断熱性能の向上(複層ガラスの採用など)が求められます。
・一次エネルギー消費量の削減
・暖房、冷房、換気、照明、給湯の各設備における一次エネルギー消費量を、基準値から20%以上削減

この基準を満たすために、高効率な暖冷房設備(ヒートポンプなど)や給湯設備(エコキュートなど)の導入、LED照明の採用、高効率換気システムの導入などが求められます。
・再生可能エネルギーの導入
・太陽光発電システムなどの再生可能エネルギーを導入し、年間の一次エネルギー消費量を正味ゼロまたはマイナスにする

太陽光発電システムの容量は、住宅の規模や地域によって異なりますが、一般的には4kW以上の容量が必要とされています。
・省エネ性能の評価と表示
・設計時に一次エネルギー消費量の計算を行い、省エネ基準への適合を評価
・建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)などで、省エネ性能を第三者機関が評価し、表示

以上の基準をクリアすることで、ZEH住宅としての認定を受けることができます。ただし、これらの基準は現時点でのものであり、今後の技術開発や政策動向によって変更される可能性があります。また、ZEHの定義についても、Nearly ZEH(ニアリーゼロエネルギーハウス)やZEH Oriented(ゼロエネルギーハウス指向)など、複数のバリエーションがあることに注意が必要です。


ZEHの義務化は2050年のカーボンニュートラル社会を目指した国家計画の一環です。初期コストの増加などの課題はありますが、長期的には光熱費の削減や快適性の向上などのメリットが期待できます。また、ZEH住宅の普及に向けた助成金や補助金制度も存在するため、これらを活用することでより負担を軽減することが可能です。